「リード文の書き方がわからない」「読者に刺さるリード文を書けない」このように、記事を書いていても納得のいくリード文を書けず、頭を抱えているのではないでしょうか？
そこでこの記事では、4年以上Webライターとして活動している筆者が、リード文の作り方について「読み手＝個人」「読み手＝法人」にわけて解説します。また、リード文の重要性やポイント、例文などにも触れているので、効果的なリード文を書けるようになりたい方はぜひ参考にしてみてください！
そもそもリード文とは？
リード文とは、タイトルやアイキャッチ画像の下に位置し、記事の概要や主要ポイントを簡潔に伝える導入文のことです。
記事は、リード文を含む以下の構成によって成り立っています。
- タイトル
- リード文
- 目次（設置していない記事もある）
- 本文
- まとめ
タイトルの後、本文に入る前に書く文章がリード文にあたります。
記事でリード文が重要な理由
リード文は読者が最初に見る文章であり、記事においても重要な役割を果たします。リード文を疎かにしていると、そもそも記事を読まれない恐れもあります。
次から、リード文が重要な理由を3つ見てみましょう。
読み手に「読みたい」と思わせられる
リード文の大きな役割が、読者に「この記事を読みたい」と思ってもらうことです。読者はリード文を読んで、本文を読み進めるかどうか判断します。
たとえば「コーヒー豆の種類を紹介している記事」の中で、次のようなリード文を見比べてみてください。
コーヒー豆の種類は豊富です。コーヒー豆の種類が多くて、悩んでしまう方も多いでしょう。
この記事では、コーヒー豆の種類を解説します。家でおいしいコーヒーを飲みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そこでこの記事では、コーヒーの趣味歴20年、コーヒーマイスターの資格をもつ筆者が、コーヒー豆の種類を産地別や焙煎度別、さらには挽き方や淹れ方の種類も紹介しています。この記事を読めばコーヒー豆の基礎知識が身につくので、お店で迷うことはなくなるでしょう。
家でおいしいコーヒーを飲みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1つめのリード文を読んで、本文を読み進めたいと考える方はあまり多くないでしょう。それは、読者に寄り添っておらず、記事で伝える内容も簡素に伝えているためです。読者がリード文から「この記事は自分の読みたい情報はないな……」と思えば、本文を読み進めることはないでしょう。
一方、2つめのリード文は読者に寄り添っており、記事に書いている内容（産地別・焙煎度別のコーヒー豆の種類、挽き方や淹れ方の種類）を細かく伝えているため、家でおいしいコーヒーを飲みたいと考える読者にも刺さる文章となっているのです。
このように、リード文は記事の離脱率に直結する部分であり、ある意味本文よりも力を入れて書くべき箇所でもあります。
読者の理解を助けられる
後述の通り、リード文では「記事に書いてある内容」や「記事を読んだあとの将来」を記載します。これらの内容は、読者の理解を助ける役割を果たします。
たとえば、先ほどのオレンジ枠で囲われたリード文には、記事に書いてある内容として「産地別・焙煎度別のコーヒー豆の種類、挽き方や淹れ方の種類」を、記事を読んだあとには「コーヒー豆の基礎知識が身につくので、お店で迷うことはなくなるでしょう。」と伝えています。
つまり、読者は記事に書いてある内容が事前にわかった状態、また記事を読む目的が明確な状態で本文を読み進められるのです。記事の内容が何もわからず読み進めるより、読者への負担を軽減できる利点があります。
SEOの効果が見込める
リード文には、SEOの効果も見込めます。リード文にキーワードを盛り込んでおくことで、Googleに「このキーワードで記事を書いていますよ」と伝えられるのです。
たとえば、先ほどのオレンジ枠に囲われたリード文は「コーヒー豆 種類」というキーワードを意識して、「コーヒー豆」「種類」というワードを適宜入れています。Googleで検索した時、リード文のキーワードを拾ってメタディスクリプションで表示することもあるため、リード文にキーワードを入れることは不可欠です。
ただし、不自然にキーワードを盛り込むのはNGです。リード文はあくまで「読みたいと思われるため」「読者の理解を助けるため」に書くものであり、キーワードを不自然に多く入れると、見にくい文章になってしまいます。
いきなりリード文から書かない
読者に響くリード文を書くには、事前準備が不可欠です。うまくリード文を書けないのは「何も準備せず、いきなりリード文から記事を書き始めている」という原因が考えられます。
リード文は、本文の内容によって決まります。それもそのはず、リード文で伝える「記事の簡単な概要」は本文に基づくものであり、また「記事を読んだあとの将来」は本文を作ることで明確になるからです。
最初からリード文を書き始めるのは難易度が高く、あとから修正する可能性が高いため、手間がかかります。リード文は、本文を書き終えたあとに、リード文を書くようにしましょう。
いきなりリード文を書くのは、プロのライターでも難しいことです。少なくとも、私にはできません。
リード文の4つの構成（読者＝個人）
「個人向けの記事」と「法人向けの記事」によって、リード文の作り方は若干異なります。特に、クライアントのメディアで執筆するWeライターは、両者を区別してリード文を作成する必要があります。
まず、読者が個人の場合の、リード文の構成は次の通りです。
- 読者に悩みを認識させる
- 記事を読むことで解決できると伝える
- 記事に書いている内容を伝える
- 記事を読んだあとの将来を伝える
各構成について、次から詳しく見ていきましょう。
①読者に悩みを認識させる
リード文の冒頭では、まず読者に悩みを認識させることが重要です。悩みを言い当てることで、読者は自分に関係ある内容だと捉え、本文へ読み進めようとするからです。
読者は、なんらかの悩みやわからないことを抱えて、Googleで検索しています。そこで、リード文で的確に読者の悩みを言い当てることで、読者は「そうそう！この悩みを解決したいんだ」「この記事は、今の自分に向けて書かれた記事だ」と感じ、本文への期待感が高まるのです。
そのため、リード文の冒頭には、次のような文章を入れると効果的です。
- ▲▲という悩みを抱えていませんか？
- ○○についてよくわからないという方もいるでしょう。
- 「■■」このように考える方もいると思います
このように、読者の悩みを言語化することで、読者に自分に関係ある内容として考えてもらい、本文へとスムーズに読み進めてもらうようにします。
ここで気になるのが「どのようにして読者の悩みを言い当てるのか」という点でしょう。その答えは、記事のペルソナ設計にあります。
ペルソナとは、記事を読む架空のユーザーのことです。どのような記事でも、まずは読者の年齢や職業、悩みなどを明確にし、その読者（ペルソナ）に向けて記事を書いていきます。
ペルソナの悩みは、キーワードから読み解くことが可能です。たとえば「コーヒー豆 種類」であれば、次のような悩みを想定できます。
- お店でコーヒー豆を買おうと思ったが、種類が多く、違いがわからない
- コーヒー豆の種類や、それぞれの豆の特徴・違いなどを知りたい
- コーヒー豆に詳しくなって、家でも淹れられるようになりたい
上記は、ペルソナの悩みや知りたい情報、なりたい将来像まで推測したものです。これらは推測の範囲なので、正しいかどうかを確かめる必要があります。
そこで役立つのが競合記事です。Googleが検索上位として表示しているという観点から、「競合記事の内容=ペルソナが知りたい内容」と捉えられます。
そこで、キーワードから推測した読者の悩みと競合記事の内容を分析し、読者の悩みを明確にします。悩みをリード文の冒頭で明確にすることで、読者へ効果的にアプローチできるのです。
競合記事の分析は必要ですが、必ずしも執筆するメディアで正しいとは限りません。競合記事が若年層向けメディアで、執筆するのが中年層向けメディアであれば、ユーザーの悩みにも差違が出ます。執筆するメディアが訴求したいターゲット層から外れないように競合記事を分析する必要があります。
②記事を読むことで解決できると伝える
読者は、なんらかの問題を解決するためにGoogleやYahoo!で検索し、記事から答えを探そうとしています。そのような読者に対し、リード文で「この記事を読むことで、あなたの○○という悩みや問題、わからないことを解決できますよ」ということを伝えるのです。
読後に解決できると伝えるため、リード文では次のような表現を用いてみましょう。
- 「この記事で紹介している方法を実践すると、○○という悩みを解決できます」
- 「多くの人が記事で解説した方法を使って、○○への理解を深めました」
- 「筆者は、○○という方法で問題を解決しました」
このように「この記事を読むとあなたの悩みを解決できますよ」と明確に伝えることで、読者は記事を読む意義を感じることができ、本文へと読み進めていきます。
③記事に書いている内容を伝える
読者は、記事を読んですぐに答えを知りたいと考えています。そのため、リード文に「このような内容を書いているよ」と明示することで、読者は記事に自分の知りたい情報があると知り、本文まで読み進めます。
記事に書いている内容をリード文で伝えるには、次のような表現を用いてみましょう。
- 「この記事では、○○や▲▲について解説しています」
- 「○○のやり方について、5つの手順を用いて丁寧に解説します」
- 「あなたの悩みを解決するため、この記事では○○や▲▲について見てみましょう」
目次を見ても記事の内容は大方わかりますが、リード文でも書いている内容を明示することで、読者に優しい記事となります。
④記事を読んだあとの将来を伝える
記事のゴールは、読者が何かしらの行動を移すことです。リード文で「この記事を読んだあなたは○○になれますよ」と伝えることで、読者が読後の将来像を明確にイメージできます。
読者は、何かしらの目的（検索意図）をもって記事を読みに来ています。記事のゴールを伝えてあげれば、読者の読むモチベーションが高まり、本文へ読み進めてくれる可能性が高くなるのです。
記事の将来像を伝えるには、次のような表現を用いてみてください。
- 「この記事を読むと、あなたは○○について詳しく理解できます」
- 「記事で紹介した方法を実践すると、○○の悩みを解決できます」
- 「記事を読むだけで、あなたは○○という行動に移せるようになります」
記事の将来像は、特に記事に対する読者のワクワク感を高めるための重要な箇所です。ここを適当に書いている記事も多いですが、将来像こそ、もっとも注力して書くべきと言っても過言ではありません。
リード文の3つの構成（読み手＝法人）
先ほど紹介したのは、個人向け（to C）のリード文です。個人向けの記事は、充実した”濃いリード文“になる傾向があります。これは、読者のワクワク感や共感を誘うためです。
一方、法人向け（to B）では、個人向けほど充実したリード文にする必要はありません。ビジネスパーソンは多忙なので効率的に情報収集しているほか、個人に比べて悩みや求める解決策が明確であるケースが多いためです。
そのため、法人向けの記事のリード文では、個人向けに比べて簡素な内容にします。
法人向けのリード文の構成を、次から見てみましょう。ただし、基本的なポイントは、個人向けのリード文と共通します。
①読者の課題を認識させる
読者であるビジネスパーソンは、何かしらの問題やわからない情報をもって、記事を読みに来ています。この読者の悩みをリード文で言い当てることで、読者が自分に関係ある記事と認識し、本文へ読み進めます。
このポイントは、個人向けのリード文と同じです。ただし、記事への期待感を高めるために「あなたは○○について悩んでいませんか？過去は私もそうでした！」といったような”やわらかい“表現は不要です。あくまでもビジネスを意識した、ある程度硬さのある表現が求められます。
読者の課題を認識させるため、次のような表現を用いてみてください。
- 「○○という言葉の意味がわからない方もいるでしょう」
- 「業務プロセスを見直す中で、○○に課題を感じていませんか？」
- 「労働力不足が深刻化するなか、人材確保が困難を極めている事業者も多いはずです」
②記事に書いている内容を伝える
読者は、何かしらの課題解決のために記事を読みに来ています。特に、ビジネスパーソンは多忙な中ですぐに答えを求めようとする傾向があるので、記事に書いてある内容をリード文で明示することは重要です。
記事に書いている内容を伝えるため、次のような表現を用いてみてください。
- 「この記事では、○○や▲▲について解説します」
- 「○○を比較しながら、▲▲について紹介します」
ここでもやはり、ある程度硬さのある表現を意識することがポイントです。
③記事を読む利点を伝える
これも個人向けの記事と同じで、記事を読む利点を伝えることが重要です。利点を知ることで、読者はこの記事を読むメリットを感じ、本文まで読み進めてくれます。
記事の利点を伝えるため、次のような表現を用いてみてください。
- 「この記事を読むと、○○の選び方がわかります」
- 「記事で紹介した方法を実践すると、○○の課題解決のヒントを得られるでしょう」
- 「記事を読むと、○○についての理解を深められます」
法人向けのリード文では、個人向けのように、記事への期待感をあまり煽る必要はありません。個人に比べて多忙なビジネスパーソンは、リード文を見ずに本文を読み進める方も多いほど。なるべく簡素なリード文にするほうが、読者に優しいと言えます。
リード文を書くポイント
次から、リード文を書く際に、特に意識したいポイントを3つ紹介します。
300文字以内で書く
長すぎるリード文は、読者ファーストとは言えません。どれだけ長くても、300文字までに抑えておきましょう。
じっくり最初から最後まで読んでもらえる書籍とは異なり、Web記事の読者はすぐに答えを求める傾向にあります。あまりにもリード文が長いと、読者は冗長に感じ、本文を読む前に離脱する恐れがあります。
リード文は、150～200文字程度で十分です。300文字は超えないように注意しましょう。
書き手の権威性を伝える
記事はもちろん内容も大切ですが「誰が書いたか」ということも重要です。たとえば株式投資について知りたいとして、リード文に「投資10年のプロが解説します」と書いてあれば、より記事を読んでみたい気持ちが生まれないでしょうか？
このように、リード文に書き手の権威性を盛り込むことで、記事への期待感を高める効果があります。
書き手に権威性がある場合「○○の分野に精通しているライターが」「○○という成果を得られた筆者が」というように、リード文でしっかりアピールしておきましょう。
Googleは検索品質評価ガイドラインで、Webサイトの品質の評価基準に「E-E-A-T」を定めています。E-E-A-Tとは「Experience（経験）」「Expertise（専門性）」「Authoritativeness（権威性）」「Trustworthiness（信頼性）」の4つの略です。E-E-A-Tの観点からも、リード文に権威性をアピールすることは、SEO上重要だと言えます。
特定の個人に語りかける
リード文は、「1対多」ではなく「1対1」にすることが重要です。なぜなら、「1対多」のリード文では読者に響かないからです。
1対多とは、いったいどのようなリード文なのでしょうか？例を挙げると、次のような文章を指します。
健康的な食生活の維持は、心身の健康を保つために欠かせません。しかし、何から始めればよいのかわからない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、健康的な食生活を目指している皆さんが、誰でも簡単に始められる5つのステップを紹介し、毎日の食生活を改善する方法について詳しく解説します。
この文章で「皆さん」という箇所を見て、なんだか距離感を覚えませんでしたか？「皆さん」というのは一般的で、特定の個人に語りかけたものでないからです。
先述の通り、リード文では自分に関係ある内容として捉えてもらうことが重要です。そのため「皆さん」というようなぼんやりとした表現ではなく「○○を知りたいと考えているあなた」「○○にお悩みの方」というように、特定の個人を指すようにしましょう。
リード文の例文
効果的なリード文を書きたいと考えている方に向けて、例文をご用意しました。「個人向け」「法人向け」の2種類作成しているので、ぜひリード文作成に役立ててみてください！
「読み手＝個人」のリード文例
まずは、読み手が個人の場合における、リード文の例を見てみましょう。
「支出が多くて貯金できない…」このように、家計のやりくりで悩んでいませんか？
そのような悩みを解決するために、実際に毎月の家計負担を3万円減らした主婦が、日常生活で簡単に取り入れられる節約術を10個ご紹介します。
無理なく家計の負担を減らし、貯金を増やせる方法のみ紹介しているので、家計のやりくりに頭を抱えている方はぜひ参考にしてみてください！
上記のリード文では、冒頭に読み手の悩みを認識させた後、2文目からその悩みを解決できると伝えています。また「実際に毎月の家計負担を3万円減らした主婦」というように権威性をアピールしており、記事の説得力を高める効果があります。
簡素なリード文でありながら、効果的に読者に訴求できているリード文です。
「読み手＝法人」のリード文例
続けて、読み手が法人のケースでのリード文を見てみましょう。
昨今、日本の少子高齢化に伴い、多くの企業では人材不足が深刻な問題です。本記事では、人材不足を解消するための人材確保の方法を3つ紹介します。
人事部門責任者として10年以上の経験を持つ筆者が、実践的な手順に基づき解説します。採用戦略の改善に役立つ情報を得られるので、人材不足に悩み企業はぜひ参考にしてみてください。
多忙なビジネスパーソンに合わせ、読み手が個人のケースよりもさっぱりとしたリード文です。冒頭で問題を提起し、2文目で解決できると伝えています。
また「人事部門責任者として10年以上の経験を持つ筆者」という権威性をアピールして、記事の説得力を高めています。
まとめ：リード文で読者を惹きつける
リード文は、読者が本文を読み進めるかどうかを決める重要な情報です。また、適切にキーワードを盛り込むことで、SEOの効果も期待できます。
リード文の作り方は、読み手が「個人」か「法人」かによって異なります。ペルソナを設定して読者が知りたい情報（検索意図）を読み解き、読者の期待感を高められるリード文を作ってみてください。
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