自社にノウハウやリソースが足りず、記事の外注化を考えている企業様もいるでしょう。記事の外注化は、ただ丸投げしていると高確率で失敗します。
今回は、記事を外注化するタイミングやポイント、注意点などを紹介します。記事の外注化を検討している企業様は、ぜひ参考にしてください。
記事を外注化するタイミング
企業が記事を外注化してもよいタイミングは、以下の2つを満たしたときです。
- Webサイトから収益を生み出せるようになってきた
- サイト運営について理解し始めてきた
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Webサイトから収益を生み出せるようになってきた
自社サイトへの流入が安定してきて、収入を生み出せるようになったタイミングで、記事制作の外注化を検討してみてください。単純に、収益の出ていない状態で記事制作を外注するのは、リスクが大きいからです。
記事の外注化には、コストがかかります。たとえば、1本1万円で月20本記事を投稿しようとすると、毎月20万円のコストです。年間に換算すれば240万円かかり、これ以上の売上を生み出せないと赤字になってしまいます。
先が見えないまま赤字を生み出し続けるのは、企業の経営を悪化させるだけです。安定して収益が出たタイミングで、記事の外注化を検討してみてください。
ただし、これから売上を上げることを視野に、記事を制作したいと考える企業もいるでしょう。その場合は、前もって売上目標と予算を組んでおき、計画的に記事制作の外注をおすすめします。
SEOについて理解し始めてきた
ある程度自社で記事を執筆してきて、SEOの基本的な知識を身につけられたと感じたタイミングで、記事制作の外注化を検討してみてください。逆に、SEOの知見がないまま記事を外注し続けても、そもそも何が正しいのかわかっていないので高確率で失敗します。
SEOで成果を出すには、トライ&エラーの繰り返しが不可欠です。成果の出ている記事と出ていないものをアクセス解析ツールを使って分析し、SEOの知識をもとに改善を繰り返すことが求められます。
SEOを理解していない企業の多くは「記事を書けば売上を上げられるだろう」と勘違いしています。今は記事を書けば成果が出るという単純な話ではなくなっているので、ぜひSEOのノウハウを蓄積してから、記事の外注化を検討してみてください。
記事を外注する手順
記事の外注化では、主に以下の手順で進めます。
- ライターを探す
- ライターに記事の執筆を依頼する
- 納品された記事をチェックする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ライターを探す
まずは、記事を書いてもらうためのライターを探します。ライターを探すには、主に以下の3つの方法があります。
ライターを探せる場所 | 特徴 |
クラウドソーシング | 発注者とクリエイターをつなぐ仲介サイト。ランサーズやクラウドワークスなどが有名。 |
求人サイト | 求人サイトでも業務委託のライターを見つけられる。IndeedやWantedlyなどが有名。 |
SNS | クリエイターの活動しているSNS経由で、ライターを探すことも可。TwitterやInstagramなど。 |
また、ライターを募集するときは、案件の詳しい内容を記載しましょう。案件内容が曖昧だと、ライターが不信感を抱き、応募を控える恐れがあります。
- 記事の文字数
- 報酬
- 依頼する範囲(「構成+執筆」「入稿も含む」など)
- 納期
- 求める人物像 など
〔ライター募集〕
「アルコールチェック」に関する記事を書ける方を募集します!
【納期】
構成案:5月18日(水)、原稿:5月21日(土)添付の画像を確認いただき、以下3点を記載してDMでご応募ください!
①簡単なご経歴
②ポートフォリオ
③執筆可能な本数(最大3本)#ライター募集 pic.twitter.com/TOTyfcSYte— 小川 遼@Webライター・編集者 (@ogaryo_blog) May 14, 2022
特に報酬を曖昧にすると、ライターは応募を避けます。優秀なライターに依頼したければ、金額面を中心に、内容はなるべくクリアにして募集しましょう。
テストライティングを実施する
応募のあったライターに、記事の執筆を依頼します。ただし、ライターの実力がわからないままいきなり何本も記事執筆を依頼するのはリスクが大きいので、最初はテストライティングを実施しましょう。
テストライティングでは、まず1本のみの執筆を依頼します。テストライティングでは記事のクオリティもそうですが、以下の点もチェックしておきましょう。
- 問題なくコミュニケーションを取れるか(返信は早いか、こちらの意図を汲んでいるか)
- マニュアル通りに記事を執筆しているか
- 納期を遵守しているか など
予定数の採用数よりも多くのライターにテストライティングを実施し、その中から優れた方を選んで本格的に発注する方法がおすすめです。多くのライターと接点をもっておくほうが、より優秀なライターに出会える可能性が高くなります。
また、テストライティングの単価については、筆者は本依頼時と同じ単価で発注することをおすすめします。というのも、最近では「テストライティング詐欺」というものが流行っており、ライター側は搾取されることを恐れているからです。
最初から採用するつもりがなく、テストライティングと称して無償または低単価(文字単価1円未満)で発注して記事を納品してもらい、その後連絡を絶つこと
私も、テストライティングは本発注と同じ料金で発注しています。ただし、テストライティングで低品質な記事が納品された時でも品質を担保しないといけないので、そこは編集者の腕が試されます。
あまりにもテストライティングの単価が低いと”良いライター”が応募してくれないので、ここでコストを削るのは正直おすすめしません。
納品された記事をチェックする
納品された記事を自社でチェックします。記事を確認するときは、以下の点をチェックしましょう。
- 誤字脱字がないか
- 事実の間違いがないか
- 読者に誤解を招く表現がないか
- 意味のわかりにくい表現がないか
- ほかの自社記事と整合性が取れているか など
記事の修正が必要な箇所がある場合、ライターに原稿を直してもらうように指示します。ライターに修正指示を出す場合は、抽象的にならないように、具体的に内容を伝えましょう。
また、ライターに記事執筆を外注するとはいえ、コンテンツの最終的な責任は自社にあります。そのため記事は厳しくチェックし、修正が必要な箇所は遠慮せずライターに直してもらってください。
記事を外注化する際のポイント
記事の外注化を成功させるには、いくつかポイントがあります。適当に記事を外注していると高確率で失敗するので、ぜひポイントを押さえておいてください。
マニュアルを整備する
記事執筆を外注するときは、必ずマニュアルを整備してください。マニュアルがないと、複数のライターへ依頼したときに記事ごとにバラツキが出てしまい、修正の数が増えてしまうからです。
たとえば記事を書くときは「稚拙な文章に見えるので、文末表現を3回連続してはいけない(ex.「~ます」を3回連続で使う)」というルールがあります。このようなルールをあらかじめ明記しておかないと、中には同じ文末表現を連続で使うライターがおり、修正の手間が増えてしまいます。
マニュアルといっても、大層なものを作る必要はありません。WordのA41枚程度で十分なので、記事を執筆するうえで守ってほしいルールをマニュアルに明記するようにしましょう。
- 表記ルール(「”等”は”など”で表記する」「英語にはふりがなを振る」など)
- 文章表現(「です・ます調で書く」「一文は80文字まで」など)
- 禁止事項(ex.「コピペしない」「Wikipediaから情報を収集しない」など)
SEOに詳しいライターに依頼する
自然検索からの流入を増やして売上につなげたいと考えている企業は、SEOに詳しいライターに依頼することをおすすめします。紙媒体で記事を書けるライターが、そのままWeb記事を書けるかといえば、そうではないからです。
Web記事には、読者にわかりやすく書くことと別に、Googleのアルゴリズムに伝わる記事を書く「SEOライティング」の知識が必要です。たとえばSEOライティングでは、以下のようなポイントを押さえながら記事を執筆します。
- 検索キーワードを意識する
- 記事に共起語を盛り込む
- 見出しにサジェストキーワードを入れる
- ディスクリプションを最適化する
- 指示代名詞は内容を明らかにする など
SEOに詳しいかどうかは、おおむね経験年数に比例します。Web記事を多く書いてきたライターほどSEOを理解している傾向にあるので、ぜひ経験年数も案件募集時の参考にしてみてください。
専門性の高いライターに依頼する
Web記事を依頼するときは、そのジャンルに詳しいライターに依頼することをおすすめします。なぜなら専門性の高いライターほど、”深い”情報で記事を執筆できるからです。
Webライターの多くは、インターネットで調べた情報のみで記事を執筆していることが大半です。しかし、その分野に関して知識のないライターがインターネットで情報を調べても、表面的な内容しか執筆できないことが多くなっています。
一方で特定分野に精通しているライターであれば、業界で働いてきた知見をもとに執筆できたり、インターネット上にはない希少価値の高い情報を書けたりします。情報の稀少性が高い記事ほど価値は高くなるので、ぜひ依頼する原稿のジャンルに詳しいライターへ発注するようにしましょう。
自社製品について詳しく説明する
ほとんどの場合、ライターは自社製品を詳しく理解していません。そのためライターには、まず自社製品を詳しく理解してもらいましょう。
記事からコンバージョンにつなげるには、ユーザーの検索意図に答えつつ、またユーザーの悩みや不安を解決するために自社製品を紹介するのが理想の流れです。そのためにはライターが、自社製品を詳しく理解していることが求められます。
手間に感じるかもしれませんが、依頼前に自社製品を詳しく説明する機会を設けてみましょう。また、定期的に自社製品の勉強会を開催するのもおすすめです。
オリジナル情報を共有する
Webライターの多くはインターネットだけで調べた情報をもとに記事を執筆するため、どうしてもありきたりな原稿を書きがちです。そのため、自社の成功事例や体験談などオリジナリティの高い情報を、ライターに共有するようにしましょう。
おすすめは、記事のチェックを「構成の確認」と「原稿の確認」の2回にわけて、前者の「構成の確認」の際に自社の事例や体験談などを共有する方法です。「この見出しには、自社の体験談を盛り込んでください」というようにすると、スムーズに自社の情報を記事に書いてもらえます。
記事を外注する際の注意点
記事を外注する際に、いくつか注意点があります。特に知っておいてほしい注意点を3つ取り上げるので、ぜひ理解しておきましょう。
ルールが多すぎるマニュアルにしない
ルールが盛りだくさんのマニュアルはおすすめしません。ルールで縛られすぎると、クリエイティビティが損なわれてしまうからです。
たしかに、コンテンツがブレるのを防ぐためにマニュアルを作ることは重要です。一方であまりにもマニュアルの量が多すぎると、ライターはルールを理解して守ることに多くの労力を費やし、クリエイティブな部分に集中できなくなってしまいます。
マニュアルはWordでA4枚程度にし、最低限守ってほしい内容のみを書くようにしましょう。
筆者もマニュアルがA4何枚にもおよぶ案件で執筆した経験がありますが、ルールを守るのに精一杯になり、非常に書きづらかった覚えがあります。
必ずコピペチェックする
納品された記事は、必ずコピペチェックするようにしましょう。平気でコピペして記事を納品するライターが一定数存在します。
私も、ほかのWebサイトから転載しただけのコピペ記事に遭遇したことが何回かあります。
意図せずコピペされた記事を公開してしまうと、著作権侵害として損害賠償を請求される恐れがあります。コピペチェックは「CopyContentDetector」(無料)や「コピペリン」(有料)などのツールがおすすめです。
CopyContentDetectorでは、「類似度」「一致率」「テキスト類似率」をすべて「良好」にしておきましょう。「要注意」が出ている時(ただし場合にもよる)や「コピーの疑い」が出た時は、ほかの記事からコピペしている恐れがあります。その場合は、ライターに修正を依頼しましょう。
▲「類似度」「一致率」「テキスト類似率」がすべて良好の例
ちなみに私は、CopyContentDetector以外にも、外注した記事には「コピペリン」を使ってコピペチェックしています。CopyContentDetectorでは、ほかの記事から一部の文章だけコピペしても、バレないことがあります。一方でコピペリンは、文章ごとに細かくチェックしてくれるので、一文だけでもコピペした文章がすぐにわかります。
外注費を下げすぎると結果コスト損になる
多くの発注者が勘違いしているのですが、外注費を下げすぎると結果コスト損となるので注意してください。いくら安いコストで記事を量産しても、コンバージョンにつなげられないと意味はありません。
たしかに、コストを下げるのは大切な企業努力です。一方で、あまりにも外注費を下げすぎると能力の低いライターにしか依頼できず、自社の手間が増えたり、検索順位100位圏外の記事を量産したりすることになります。
外注費は、最低でも文字単価1円を保証してください。文字単価1円以上であれば、基本的な文章力を身につけたライターに依頼できます。
まとめ:記事の外注化で効率よくサイトを運営できる
記事の外注化は、うまくポイントを押さえれば効率よく売上を拡大できます。一方で、ただ記事を丸投げしていると、発注者とライター側で認識のズレが生じ、高確率で失敗します。
今回、記事を外注化するタイミングやポイント、注意点をまとめたので、記事を外注化するときはぜひ参考にしてください。
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